🧠 ミニコラム:脳神経シナプスと習慣の力
今回は、脳神経シナプスと習慣の関係について簡単にご紹介させていただきます。少しお節介かもしれませんが(笑)、どうしてもどうしても重要なことなので伝えたいと思い、このお話をさせていただくことにしました。
皆さんは「習慣」についてどうお考えでしょうか?日本には「チリも積もれば山となる」という格言がありますが、これが脳の構造にも大きく当てはまります。私たちの脳は、繰り返される思考や行動によって神経シナプスの結合が強化され、その結合が強固になることで「習慣」が形成されていきます【参考文献1】。
昔の方が、脳神経シナプスのことをご存じだったかは分かりません。原理はさておいて、本当にチリは山になります。
例えば、誰かの悪いところに目が行きがちな場合、そのネガティブな思考が繰り返されることで、それに対応するシナプス結合が強化され、次第に根深い習慣になってしまいます。毎日毎分その能力を強化しているようなものです。やがて手放しづらい習慣に成長していきます。
私自身も時折、こうしたシナプスの働きに対して「この結合が強化されているんだな」と思うことがありますが、こうして出来上がったネガティブな習慣は、後から解きほぐすのに相当な時間と労力が必要です。
実際、私も過去に苦労したことがありましたが、経験を通して「習慣を整える大切さ」を痛感しました。この教訓から、皆さんにはぜひ早めに良い習慣を身につけていただきたいと強く願っています。
「ネガティブな習慣」が根付いた状態を、今では「こじらせ」と言うそうです。あるスラトレ®の受講生からこの言葉を教えてもらい、非常にしっくりきました。多くの方がこうなる前に防げるよう、また、既に「こじらせてしまった」と感じる方のためにも、この度、気軽に学べるコンテンツ会員サービスを始めることにしました。
・オンラインサロンは時間が合わなくて参加できないし・・・
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お声に精一杯お答えいたしますが、大してファンシーなことはできないかもしれません。しかし、それでも1mmでも皆さんが少しでも前に進むお手伝いができるのであれば、私たちも大変嬉しく思い、全力で応援させていただきます。私たちのサポートが皆さんの「ネガティブな習慣」を固めないための小さな一歩に繋がることを心から願っています。
スラトレ®はこのたびコンテンツ会員サービスを開始する運びとなりました。
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読み飛ばしok:原理が知りたい方は以下をご参考に
脳神経シナプスと習慣形成の関係性
脳神経科学の進歩により、習慣形成のメカニズムが分子レベルで解明されつつあります。本稿では、脳神経シナプスと習慣の関係性について考察します。
シナプスの可塑性と習慣形成
シナプスは神経細胞間の情報伝達を担う重要な構造です。シナプスの可塑性、つまり経験に応じて変化する能力が、学習や記憶、そして習慣形成の基盤となっています1
習慣は、特定の行動パターンを繰り返すことで形成されます。神経科学的には、この過程でシナプス結合が強化され、より効率的な神経回路が構築されると考えられています2
特定の行動パターンを繰り返すことで形成はされると信じていても、やはり無意識の領域に存在する習慣の克服までは非常に難しいと感じました。そのため、意識的に取り組むことが必要であり、根気強さや時間が要求されるプロセスであることを実感しています。
習慣の神経基盤
習慣形成には、特に大脳基底核の一部である背側線条体が重要な役割を果たします。この領域でのドーパミン系の活動が、習慣的行動の自動化に関与していることが明らかになっています3
ポジティブな習慣もネガティブな習慣も、同様のメカニズムで形成されます。したがって、望ましくない習慣を変えるには、新たな神経回路を構築する必要があり、時間と努力を要します。再構築を促したくて、スライブトレーニング®のような地味でコツコツとした精神的なトレーニングが開発されました。
習慣改善への応用
習慣の神経メカニズムを理解することで、より効果的な行動変容アプローチが可能になります。例えば、マインドフルネスやCBT(認知行動療法)などの技法は、望ましくない習慣を変える上で有効であることが示されています4
しかしながら、専門家の技量に依存することから(Skill demanded)、日本国内では質の高い”良い先生”を見つけるのが非常に至難の業となっていました。スラトレ®でいつもお伝えしていることは、人生を安心して任せることができるくらいの”良い先生”を見つけることの重要性です。多くの場合、信頼できる医師や専門家は国家資格を保持している方々の中から探されます。さらに、もう一つのポイントとして、自分自身でスキルを身に付けることの大切さが挙げられます。この後者がまさにスラトレ®の理念に該当するのです。
結論
脳神経シナプスの可塑性は、私たちの習慣形成に深く関わっています。この知見を活用することで、より健康的で生産的な習慣を育成し、望ましくない習慣を改善する効果的な戦略を立てることができるでしょう。
良い先生を見つけるか、自分自身でスキルを身に付けるか、この二つの選択肢をスラトレ®では特に強調しています。なぜなら、あなたの心や思考はまさに”聖域”であり、そこを他者に委ねることがどういうことか、深く理解することが重要だからです。良い人を見つけるための審美眼がまだ育っていない場合、怪しいものさえも盲目的に信じ込んでしまう危険性があります。結局のところ、それは野生の勘や直感に頼ることになりますが、それが人生を大きく左右する帰路となるのです。その選択さえも、あなたの人生において重要な一部となるのでしょう。10年後に「あんなこともあったよね」と懐かしみながら笑い合える日のために、今はしっかりと自分の道を見つけていきましょう。
参考文献
1 Kandel, E. R., Dudai, Y., & Mayford, M. R. (2014). The molecular and systems biology of memory. Cell, 157(1), 163-186.
2 Graybiel, A. M. (2008). Habits, rituals, and the evaluative brain. Annual Review of Neuroscience, 31, 359-387.
3 Lerner, T. N., et al. (2022). Dopamine signaling promotes compulsive reward seeking. Cell Reports, 38(10), 110442.
4 Tang, Y. Y., Hölzel, B. K., & Posner, M. I. (2015). The neuroscience of mindfulness meditation. Nature Reviews Neuroscience, 16(4), 213-225.